経営改善事例

経営サポート会議を活用した経営改善計画策定支援

経営改善支援に至るまでの経緯

 地元でも長い業歴を持つ食料品加工業者です。市場規模の縮小で、食料加工品の生産量は減少傾向となり、売上・利益ともに減少していました。経営陣の経理管理への関与が低いことや、売上や仕入、経費の管理が疎かであったことから、資金繰りの管理が不十分でありました。また、在庫管理の甘さから、滞留在庫が発生するなど、資金繰りを圧迫していました。市場が縮小していく中でも利益を残せる経営体質へ改善していくことが急務となっていました。
 長い業歴から、販路が確立しており、一定の受注を確保できることや、自社製品開発による新規取引開拓や利益率の高い食品加工部門を強化することにより、経営改善は十分可能と判断されました。そのような状況の中、メインバンクより、経営改善計画(以下、「計画」という)を策定する方向となり、取引金融機関が多岐に亘っていることから、当協会の経営サポート会議を利用して計画の合意形成を図りたいとの相談を受けました。

経営改善支援の内容

 当協会が事務局となり、代表者、取引金融機関、税理士、山梨県中小企業再生支援協議会を一同に会した経営サポート会議を開催しました。計画の策定までには時間を要すことから、策定までの間の元金返済の据置が依頼され、全取引金融機関で、元金据置を行いました。計画は、当協会で費用の一部補助を行う「認定経営革新等支援機関による経営改善計画策定支援事業」を活用して策定され、営業活動の強化による収益の増加や在庫管理の強化による在庫削減、人件費を始めとした経費の削減を主な柱とするものでした。再度の経営サポート会議で計画に関する意見交換を行い、計画の合意形成に至り、計画に基づいたリスケジュール支援が実施されました。

経営改善支援の効果

 経営サポート会議開催が奏功し、計画への合意形成がスムーズに行われ、企業が経営改善に早期に着手することができ、また、リスケジュール支援による手元資金の確保が図られました。計画の進捗については、経営サポート会議を介し、支援金融機関に報告が行われました。計画期間満了時には、業績の回復が確認でき、計画通りの返済も履行されていたことから、メインバンクで、将来的な設備の入替需要を踏まえ、金融の正常化のため借換が実行され、資金調達の可能性が高まりました。