年度経営計画

令和4年度経営計画

経営方針

(1)業務環境

 政府の令和4年2月月例経済報告による景気基調判断は、「持ち直しの動きが続いているものの、一部に弱さが見られる」とし、令和3年9月以来、5か月ぶりに下方修正された。新型コロナウイルス感染症(以下「感染症」という。)の変異株「オミクロン株」の感染者増加でまん延防止等重点措置の適用地域が拡大し、消費が冷え込んでいることや原油高、円安を受けた物価上昇も景気の重しになっている。
 山梨県内の景気においても、半導体製造装置や電子部品などの機械工業を牽引役として持ち直しの動きが見られ、増産の動きが強まった。また観光関連産業においては、ワクチン接種の広がりや感染者数の落ち着きを背景に、県内外からの人流が活発となり、宿泊者数も前年を上回る等、総じて景気回復への期待感が高まっていた。
  しかしながら、年明け以降、変異株の拡大により新規感染者数が急速に増加し、集客が戻りつつあった飲食・宿泊業において、再び落ち込みに転じている。また、機械工業を中心とした一部の製造業においては、需要は旺盛ながら、原材料コストの上昇や世界的な半導体不足等を背景に、部品・部材の調達が困難になっており、供給制約の影響が見られている。地場産業関連においても、国内需要の縮小や原材料価格上昇の影響を受け、全体として厳しい局面が続いている。
 今後は、感染症対策に万全を期し、経済社会活動を継続していく中で、各種政策や海外経済の改善もあって、景気が持ち直していくことが期待されるが、感染症の収束が見通せない中、特に影響を受けやすいサービス消費を中心に、下押し圧力が懸念される。また、サプライチェーンリスクへの懸念や資源価格の動向、さらには、ウクライナ情勢に端を発した、世界的な経済・金融・物価への影響などによる下振れリスクに注視していく必要がある。

(2)業務運営方針

 以上のような、感染症の長期化や国内外の経済環境の変化などを踏まえ、急速に債務が増加している先や据置期間終了先、コロナ禍の影響を受けた特に支援が必要な先などの中小企業者に対し、早期に活力ある事業活動が行えるよう、また、新分野展開や業態転換、さらにはSDGs経営など社会的価値の創出に取り組む中小企業者への迅速かつ適切な資金繰り支援を行う。併せて、金融機関や関係支援機関と連携し、創業から事業再生に至るまで、中小企業のライフステージに応じた、伴走型での実効性の高い経営支援に努め、地域経済の活性化や成長発展に貢献する。
 そのため、公的保証を行う支援機関として社会的使命を果たすために、広く高度な知識を有する人材の育成、業務改善による利便性の向上、経営基盤の強化を図るほか、コンプライアンス意識の向上、危機管理体制の整備、地域社会への貢献による一層の信頼醸成に努める。加えて、中小企業者及び関係機関にとって利用しやすい環境を提供するため、信用保証協会の役割や取り組みを、継続的に情報発信を行い、認知度及び存在意義を高めていく。
 以上の事項を令和4年度の業務運営上の基本方針とし、以下のとおり重点課題の解決に向けた方策に取り組む。

重点課題

保証部門

(1)中小企業者ニーズに沿った金融支援
  1. 長引く感染症の影響による中小企業者の資金繰りに対する不安や経営危機の解消、また事業の再構築等、中小企業者の経営状態に即した保証制度の周知や活用方法を提案し、資金繰り支援に努める。
  2. 中小企業者の経営状況や事業環境を踏まえ、顧客ニーズに沿った保証制度の新設や既存保証制度の見直しを図る。
  3. 円滑な資金繰り支援に資するため、金融機関に対し保証協会業務の周知、保証事務手続きの見直しを行い、顧客の利便性向上に努める。
(2)地方創生に資する取り組み
  1. 地域の活性化に貢献するため、関連する保証制度を活用し、地方創生やSDGsに取り組む中小企業者を支援する。
  2. 県内事業者数の維持、増加に寄与するため、関係支援機関と情報共有を行い、創業や事業承継に関する保証制度や支援施策の周知を図り、活用を促進する
  3. 県内学生向けの事業経営や金融に関する講義等を通し、創業マインドを高め、起業への後押しを行う。

期中管理・経営支援部門

(1)事業のライフステージに応じた経営支援
  1. 創業者の事業維持、発展をサポートするため、創業後の業況把握や必要な支援策を講じる等、創業後のフォローアップ体制を強化し、伴走型での支援を実施する。
  2. 金融機関からのモニタリング報告書を活用し、状況把握を行い、業況回復、経営改善が必要とされる中小企業者へ早期に改善支援を行う。
  3. 事業再生を図ろうとする中小企業者に対し、様々な事業再生支援手法を活用し、事業再生を後押しする。
  4. 事業承継を予定する中小企業者に対し、事業承継に係る保証制度や各種施策の提案を行い、円滑な事業承継をサポートする。
(2)効果的な経営支援手法の構築
  1. 多様な経営課題に対応するため、派遣する専門家の分野を拡大するとともに、金融機関と連携し、より効果的な専門家派遣事業を実施する。
  2. 経営改善や経営拡大を進める中小企業者に対し、経営改善計画策定支援事業やビジネスマッチング出展に係る支援内容を周知し、活用促進を図る。
  3. 経営支援の効果を分析、検証し、経営支援事例や改善事例等を抽出し、経営改善の参考となるように情報の発信を行う。
(3)金融機関、関係支援機関との連携体制強化
  1. 金融機関との対話・情報交換を定期的に行い、中小企業者の事業状況及び金融機関の支援体制について共有するとともに、協会の経営支援施策を周知する。
  2. 関係支援機関との連携を深め、経営支援の窓口を広げることにより、様々な経営支援施策を活用した支援に努める。

回収部門

(1)求償権管理の強化
  1. 債務者等の状況を定期的に把握し、回収方針の明確化と案件の進捗管理を行う。
  2. 適時適切な法的措置に努め、回収を促進する。
  3. 定期回収先への管理を徹底するとともに、実情に応じた返済交渉を行う。
(2)再生支援への取り組み
  1. 事業継続先には、保証部門と連携し、求償権消滅保証を活用した再生支援に取り組む。
  2. 求償権関係人の生活状況を勘案し、一部免除等の再生支援手法の活用により、生活再生を支援する。
(3)回収業務の効率化
  1. 回収が困難な求償権は、求償権管理事務停止と求償権整理を進め、管理する求償権の減少に努める。
  2. サービサーへの委託を有効活用し、管理・回収の効率化を図る。

その他間接部門

(1)信頼性向上に向けた取り組み
  1. コンプライアンス実践プログラムを着実に実行し、役職員のコンプライアンス意識の向上を図る。
  2. 適正な業務執行・管理に努めるとともに、職員の業務改善意識を高め、サービス向上を実現していく。
  3. SDGsに資する取り組みを通して、組織としての共通認識を図り、外部へ発信する。
(2)経営基盤の強化
  1. 職務、職位に応じた計画的な人材育成やワークライフバランスを意識した働き方を促進する。
  2. 適正な危機管理体制を整備し、緊急時や危機発生時に備えるとともに、職員のリスク管理意識を向上させる。
  3. 情報システムの安定的な運用や、利便性向上のため、有効性を検証し、更改や保守、機能改善等に取り組む。
(3)広報活動の充実
  1. 広報内容の見直しや新たな広報手段を検討し、効果的かつ効率的な広報活動に努める。
  2. 中小企業者及び金融機関にとって利用しやすい環境を提供するため、ホームページを通して、有益な情報発信に努める。

保証承諾等の見通し

令和4年度の主要業務数値(計画)は次のとおりです。

項目 金額(百万円) 対前年度計画比(%)
保証承諾 56,000 100.0
保証債務残高 270,000 96.8
代位弁済 4,000 80.0
実際回収 850 100.0

参考資料