年度事業計画

※本計画は、新型コロナウイルス感染症に係る各種保証制度が創設される前に作成したものです。

令和2年度経営計画

経営方針

(1)業務環境

山梨県の景気動向

山梨県内の景気動向は、長期間にわたり緩やかな回復の動きが続いてきた。しかし、消費税引き上げによる需要減退や暖冬による影響に加えて、新型コロナウイルス感染症の影響による売上減少など、今後の山梨県内の景気動向は後退が続いていくとみられる。
 財務省甲府財務事務所発表(令和2年3月12日)の県内法人企業景気予測調査によると、令和2年1~3月期の景気判断指数BSI(※)は前期(令和1年10~12月期)から22.3ポイント低下し、マイナス34.1と下降超の幅が拡大した。
 新型コロナウイルスの影響が全国に及んでいる中、山梨県内においても人やモノの動きが停滞し、業界・規模に関わらず景況感が大幅に悪化している。特に山梨県の主要産業の1つでもある観光業では、訪日客の減少や各種イベントの自粛、外出の手控えなど経済活動が大きく制約されているのをはじめ、製造・卸売・運輸・倉庫・サービス業などでも景況感は大幅に悪化している。
 今後は、国内外における新型コロナウイルス感染症の拡大規模や収束時期が、景気の先行きを左右する最大の要因と考えられ、加えて消費税の増税対策終了後の消費者動向のほか、人手不足の深刻化や働き方改革への対応などが、企業経営の負担増に繋がることも懸念される。
 他方で、5G(第5世代移動通信システム)の本格化による半導体産業の好転、東京オリンピック・パラリンピックなどの好材料のほか、新型コロナウイルスの影響に対する政府の大規模な経済対策による効果が期待される。

(※)「景気判断指数BSI」:景気などの判断調査項目で、「上昇」と回答した企業の構成比から「下降」と回答した企業の構成比を差し引いて算出される指数。 

(2)業務運営方針

このような状況下、これまで以上に金融機関や国、県ならびに市町村、さらには各中小企業等支援機関と連携し、県内中小企業・小規模事業者のライフステージに応じたきめ細かい金融・経営支援に取り組むとともに、利用者である中小企業・小規模事業者及び金融機関にとって活用しやすい環境を整備し、県内経済の発展に貢献していくことが必要である。こうした観点に立ち、様々な支援を継続的に実施していくためには、さらなる経営基盤の強化にも取り組むことが重要である。以上を踏まえ、令和2年度の業務運営方針については次のとおりとする。

1)保証部門

保証部門については、信用保証業務を通じた的確な金融支援を行うために、より使い勝手が良く、分かりやすい保証業務(制度)の浸透を図るとともに、金融機関・関係機関との関係性を強化し、新型コロナウイルスの影響による資金繰り対応を含めた中小企業・小規模事業者の経営環境の変化に柔軟に適応した支援に取り組む。
 また、地方創生への貢献を果たすために、創業マインドの醸成やビジネスマッチングへの取り組み等、地域に根差した活動に取り組んでいく。

2)期中管理・経営支援部門

期中管理・経営支援部門については、金融機関・関係機関と情報共有を図りながら、中小企業・小規模事業者の個々の実態を把握する中で実情に即した経営支援・再生支援に努める。また、効果的な支援を行うための検証についても進めていく。
 さらに、中小企業・小規模事業者数を増加させ、県内経済の活性化を図っていくためにも、創業支援・事業承継支援に注力し、伴走型支援に取り組む。
 代位弁済は落ち着きの様子をみせているものの、県内の経済情勢は先行き不透明なものとなっている。今後は代位弁済の増加も見込まれているところ、信用補完制度の役割や効果を適切に発揮させていくために、迅速な代位弁済に努めていく。

3)回収部門

回収部門については、厳しい回収環境におかれている状況において、求償権管理の徹底を図るとともに、求償権管理事務停止・求償権整理の適切な実施により回収業務の効率化に取り組む。
 また、サ-ビサ-への委託と解除を適切に実施し、サ-ビサ-の活用による回収業務の効率化を進めていく。
 さらに、事業再生の可能性や求償権関係人の再チャレンジなど個々の実情を踏まえた柔軟な対応に努める。

4)その他間接部門

その他間接部門については、当協会に与えられた使命を果たしていくために、コンプライアンス体制やガバナンス体制の強化と、災害発生時等における危機管理体制を確立させ、事業継続力の向上を図っていくとともに、協会の役割と取組み内容について広く県民に知ってもらうための情報発信を積極的に行っていく。
 また、職員が能力を発揮して質の高い信用保証や効果的な経営支援の提供が出来るよう、人材の育成を図るとともに、働き方改革やワークライフバランスへの取り組みを進めていく。

重点課題

保証部門

(1)総合的な支援機関としての役割を発揮し、信用保証を通じた支援の展開

  • 金融機関との対話を伴った連携に注力し、信用保証のメリットや活用方法および保証制度の理解と浸透に努め、信用保証(制度)を通じて、中小企業・小規模事業者の金融の円滑化を図り、事業の発展を支援する。
  • 金融環境の変化に柔軟に対応すべく、適宜、保証制度の創設・改正・廃止や事務手続きの見直し等を行い、効果的な金融支援に努める。
  • 中小企業・小規模事業者のライフステージ毎の諸課題に適切な対応が行えるよう、各種支援機関や関係団体と連携した支援に努める。
  • 国や地方公共団体の施策と連携し、信用保証のセーフティネット機能を発揮した積極的な金融支援を実施する。

(2)地方創生への取り組み

  • ビジネスマッチング等の開催や出展を支援し、県内中小企業・小規模事業者の販路拡大の後押し等に努める。
  • 県内経済を活性化し、人口増加に寄与していくため、県内での創業に向けたマインドの醸成を図る取り組みを実施し、新たな事業や雇用の創出に貢献する。
  • 事業承継特別保証制度を活用し、「経営者保証ガイドライン」に基づく適切な対応による個人保証債務の負担を無くすことで、中小企業・小規模事業者の円滑な事業承継を後押しする。

期中管理・経営支援部門

(1)経営支援への取組み

  • 金融機関と情報共有を図り、個々の中小企業・小規模事業者の状況や実態を把握し、必要に応じて借換保証や条件変更の実施、経営サポート会議や専門家派遣事業などの経営支援メニューの活用により、顧客の実情に即した支援策を実施する。
  • 再生を図ろうとする事業者に対して、関係支援団体、関係部署と連携し、各種支援事業や事業再生手法を活用し、事業再生に向けた支援を実施する。
  • 中小企業・小規模事業者への効果的な経営支援を行うために、経営支援による改善事例や企業の財務データを継続して蓄積していき、当協会が実施している経営支援の効果について検証していく。

(2)創業支援への取組み

  • 創業予定者及び創業者が抱える課題に対して適切なアドバイスを行い、創業資金のニーズに対して創業保証制度の周知や創業後におけるフォローアップまで、伴走型の支援を実施する。

(3)事業承継支援への取組み

  • 企業が有する技術や価値等の資産を円滑に次世代に引き継ぐことができるよう、事業承継関係支援団体との連携や事業承継保証の活用による事業承継支援に取組む。
  • 当年4月から事業承継特別保証制度が新設されることから、経営者保証を必要としない積極的な活用を促し、円滑な事業承継支援を実施する。

(4)迅速な代位弁済履行への取り組み

  • 円滑な代位弁済を行うため、期中管理から代位弁済事務手続きの説明を金融機関に対して行い、より理解されるよう努める。
  • 代位弁済や保険金請求における事例を部門間で共有し、適切な保証の実行に向けて取組む。

回収部門

(1)回収促進の取り組み強化

  • 回収目標を設定し、進捗管理の徹底を図る。
  • 効率化を重視しつつ回収の最大化を図る。
  • 回収に係る初動の徹底を図る。
  • 定期入金先の管理を徹底し、不履行先に対しては早期に督促を行なうとともに、債務者の状況に応じて増額交渉を行う。

(2)サービサーとの連携

  • サービサーへの委託と解除を適切に行い、サービサーの有効活用を図る。
  • 定期的な会議を実施し、情報の共有化、業務改善等について協議する。

(3)再生支援への取り組み

  • 事業再生が見込まれる先への再生支援に取り組む。
  • 求償権関係人の生活再生を支援するため、生活実態の把握に努め、「一部弁済による連帯保証債務免除ガイドライン」を活用した支援に取り組む。

(4)求償権管理事務停止・求償権整理の実施による業務の効率化

  • 回収が見込めない求償権については、求償権管理事務停止・求償権整理を適切に行い、回収業務の効率化を図る。

その他間接部門

(1)コンプラインスの徹底・危機管理体制の強化

  • 健全な業務遂行への内部統制を進め、公共的機関としての説明責任を果たし、地域社会からの信頼を確立する。
  • 非常事態発生時の事業継続マニュアルを再整備し、職員への周知と認識共有を進め、危機時管理体制を強化する。
  • 情報資産や経営資源についてセキュリティ強化を図り、リスクへの対策を進める。

(2)業務効率化と分析業務

  • 業務遂行に必要な予算の掌握と執行状況を管理し、経営効率の向上を図る。
  • 業務数値や収支状況を分析し、効率的な業務遂行の参考となる情報の提供を行う。
  • 業務文書や電磁記録等の保存の最適化を進め、ICTを活用した業務効率化と生産性向上を進める。

(3)人材の育成

  • 職位や職務に応じ必要とされる知識や能力の計画的な習得と育成を図る。
  • 職員規律や行動基準に沿った適切な人事考課制度を運用することで、組織へ貢献し、主体的に行動する職員を育成する。
  • コミュニケーション能力とプレゼンテーション能力を向上させ、顧客に有効な保証制度や経営支援を提案できる職員を育成する。

(4)ワークライフバランスとメンタルヘルスの充実および職場環境の改善

  • 組織的に業務効率化への取組みを促し、時間外勤務の削減や休暇取得の奨励を行う。
  • 衛生委員や相談職員の活動を強化し、職員の健康やメンタルヘルスケアの対応と組織的な職場環境の改善を進める。

(5)顧客サービスの向上と広報の充実

  • CSアンケートを実施し、顧客ニーズと要望を把握し、業務改善への取り組みを進める。
  • 信用保証協会の認知度向上と信用保証制度のメリットを伝える有効な広報を実施する。

保証承諾等の見通し

令和2年度の主要業務数値(計画)は次のとおりです。

項目 金額(百万円) 対前年度計画比(%)
保証承諾 61,500 102.5
保証債務残高 126,800 99.8
代位弁済 2,500 100.0
実際回収 800 88.9

参考資料